元テレビDがSNS動画を観る・3 地上波とSNSの差

2022年10月の熱海「起雲閣」

地上波とSNSの違い

地上波とSNSの圧倒的な違いは、法的基準があるかどうかです。

地上波は、放送法という法律の下、一定基準があり、それに見合うようにコントロールされています。音声・画像、技術。的確な画とはっきりした音声を、安定して供給できるのが当たり前です。CMを流すのにも基準があります。この基準を満たされないと流すことはできません。
内容についても、当然是非はあるのだけど、時間内に伝える情報量は、数値として目には見えないけど、基準とされる量はあります。

かたやSNSは、人間性がダダ洩れで出ます。
教養のありなし、知性の高い低い、幸福度。孤独度。人間性が高いか低いか。何を大事にしている人か、とか。これは発信側ではなくて、受信側の視聴者も同様です。受け取り側の読解記述能力(リテラシー)が要求されます。

SNSでは、何を見るか視聴者が決めますから、見る側も、教養、知性、人間性が明らかになります。コンテンツ視聴履歴で、だいたい、その人がどんな人なのか、知ることができますよね。

ネットの広告で、詐欺商材も横行しているのはネットで法的縛りが厳しくないから。倫理観が低く道徳観念の浅いネット業者が出るのです。モラルが下がると、リスクは必然的に上がります。

地上波は最近つまらなくなったとよく聞きますが、公共の電波という格は変わりません。

そんなわけで、もし、地上波で放送内容に不満がある場合には、局に文句を言う、公的な機関を通して訴えるのが適切だと思います。

地上波は、社会の後にやってくる

日本社会の流れとして、50代、40代、「真面目はカッコ悪い、バカがいい」風潮ってのがある。でも、得に影響力ある「よそおったバカ」は、本当はめちゃくちゃ陰で努力をしているものです。それを、表面しか見てない場合、そいつは「バカ」だと真に受けてるやつがいる。真に受けてる奴の方が、ただのバカです。これは、社会的立場があるなし、学歴がありなし関係なくて、ただのバカだと思います。

社会全体が好景気で登り調子の時は、少々、ぽかんとしてるのがいても社会が成り立ちます。ただ、今は低迷期。状況を理解できる人しか生き残らない時代になっています。モノと人とお金には限りがある。そして、情報一つで、下手をすれば命も落とす時代になっています。
日進月歩で何かが変わりつつある。時代にあった新しい能力を身に着けた方が、前向きに気持ちよく生きられると思います。「変化できることに努力できる能力」がある人のみが、次の時代にのびのびできるのだと思っています。ちなみに、まともな20代、30代は、時代に対して危機感を持っていることがほとんどです。
影響力ある「よそおったバカ」は、本当はめちゃくちゃ陰で努力をしているものですが、これ、人として芯がしっかりしてないとできないんです。芯がない人からすれば、何が違うか分からなかったりします。

私は、局内にいるころにSNSを始めました。ブログとtwitter(現X)、ブログが出てきて2、3年くらいの時。当時の、SNSに対しての局内の反応は…。

「素人の書く文章、誰が読んで楽しいの?」

さらに、ちょうど、携帯電話で写真が撮れはじめたころでもありました。本格的なカメラとは程遠いけど、映った物は確認できます。デジタルカメラも出始め。簡単なもので撮っていました。

「小さいレンズで、まともに撮れるワケない」

…あのさ…知っとるワイ(笑)

新しい概念のものは向かい風なのは当たり前なこと。SNSで、個として、いろんな街の人たち、いろいろなジャンルの人たちと直に向かい合える方が、私には心地よかったのです。
結果的に、私は組織の外に出る人、その他の人は組織の内を守る人となったようです。ただ、どちらも社会には必要なので、どっちも良しなんですけどね。

2023年の現在、ご存じのとおり、芸能記者やディレクターがSNSに張り付いてるときがありますね。彼らは、「○○のtwitterが更新がされました」と、記事を書きます。この文章を最初にネットで読んだ時、正直なところ情けない気もしました。……独自のリアルな繋がりは、確保できないようだ、と。
それ以前に、それくらい個人の人間性が駄々洩れなのは事実ですが。

動画においても、「素人が撮った動画、見て、誰が楽しいの?」か、になるのです。ここは、ある一点において、解釈が変わります。
テレビ的には「素人が撮った動画」とか云々より、「決定的な瞬間」が「Recできてる(”録画できている”ことをこういいました)」ことの方が、重要になってくるんですよね。
アナログ時代は、放送で伝えられるのはENGカメラの映像くらい。Hi8とかDVcamとか、ご家庭の民生機があってもSNSがないので、一般の人が情報を共有することはなく、局側がそれを確認することはほとんどない。現在は、スマホとSNSの登場で、実質、カメラレンズの数はリアルタイムに増えているワケです。
よく、「その瞬間」を記録されているSNS上の方に局からDMとか来てますよね。

社会で起こった出来事の後に、地上波って来るものですからね。地上波の解釈の一つとしては。