もともとテレビをやったなら、SNS動画はどう見える?
「テレビやってた人として、youtubeとかどう見ますか?」
……たまに、聞かれます。
当方は、CATVで4年、地上波で6年、番組ディレクターの経験があります。CATVはフリー、地方局の中のプロダクションの人でした。地方局にいた時期は、アナログ放送がデジタル放送に移行した前後の過渡期です。
ディレクター(演出をする人です)と言っても、私はちょっと変わったタイプで、ENGカメラ(でっかい取材カメラをそう呼びます)や音声、照明、スタジオサブ運用など、技術関連も扱いました。
テレビ屋も、組織を離れてしまえばただの人ですし、現在のテレビ内部を知らないので現場で何がおこっているか何も言えませんが、当時の知識と経験は、おそらく細胞レベルで残っているかと思います(かなり、忘れていることもありますが…)。
使えるハードも、通信環境も激変している
私がテレビを離れた12年くらいで、使えるハードから違います。
当時扱っていた素材は、現在のように映像データを扱うのではなく、HDcamのテープ素材(ときどきSD素材もまだあった)。編集するときには、イン点アウト点打って、キュルキュル素材が巻き戻る音を聞きながら、タイムコードが入ったマスターテープに映像を繋いでいました。
そして、映像を取り巻く世界線も、スマートフォンの登場で、より一層変わっていくワケです。
現在の動画のデジタル化、通信技術って、世界が違うことになるくらいやっぱりすごいことなのです。
ときどき地元に帰省したときに、テレビ時代に同じ局内で仕事をしていた音声さんに会うことがあるのです。
「最近は中継とかラクすぎて、若いスタッフに話が通じない」と、愚痴を聞きました(笑)。
アナログ時代の収録現場
アナログ収録についても、プロ機のカメラについているモニターは白黒。色調整は、現場で白を撮って調整します。
取材先で画を確認しながら収録したい場合は、ディレクターとか記者が確認用のモニターを持って行って確認します。確認用のモニターはしっかりと色の確認ができます。
当時の技術目線とすれば、夜の撮影で赤っぽくホンワカ取りたいときには、蛍光灯とかで事前に白を撮るとか、ちょっとこった画づくりでカメラのゲイン調整いじって、深い色を出す技術の人とかいらっしゃましたね。皆さんお元気かしら。
ENGカメラで取材に出たときは、経験上、適正な色で収録しているはずなんだけど、編集室でモニター確認しないと普通に安心できません。
新人の時には、空の青色が紫色に収録されていたりするのは、あるあるです。技術上、すべての失敗をしないと、次にいけない感じはありましたね。
いまや、パソコン内でグレーディングで収録後どうにでもできますから……。
ちなみに、民生機のピントのこなさは、プロ機のフルアナログで慣れた人は、イライラふるふるします。最近は、ずいぶん改善しましたけど、私も当初は「なんじゃこりゃ」とか思っていました。
音声についても、アナログからステレオ放送に変わっています。ステレオタイプのガンマイクって使い方は分かりませんでしたから。(インタビューの時とかに突っ込むガンマイク、単一指向性のマイクです)
最近のスタジオ収録動画で、ステディ状態の一眼レフカメラを使用しているのを見たとき、「これは、デジタルネイティブ(これすら今は死語かも…)の若い人のアイデアも生かす時代になったんだな」と思いました。「老兵は去れ」とか、ここでごちゃごちゃいうやつは「老害」なんてのは、こういう場だよな、とも。
優秀素材は、宝の山
上京してからも、どこかの組織の名のない中の人として、技術提供はときどきしています。
素材動画とかが良いと、私にはそれが宝の山に見える。ある程度の経営知識もあるので、ここの会社の集客フォームだと、この素材があると充分に動画で訴求できるなー。編集スタイルはこんな感じで。後は現場の人、クローズド頑張ってね~。かかわった会社が、たまたまSNSベースの集客でのびた会社さんだったから、面白いくらい良く当たりました。
こちらとしては「外れてはない」と成果の予想はしてるけど、どこまで数字に反映するのかは正直なところ予測できません。それで私が作った動画を出して、売り上げに反映すると、やっぱりこちらとしてもうれしいものです。