日々雑記|古民家の実家で思うこと02…五右衛門風呂と私

2010年10月ごろの実家付近

特技:五右衛門風呂を炊くこと

「実は、五右衛門風呂を炊くスキルがあります」
 最近、東京で面白がっていうと、笑いのネタになりますが。当方の場合、意外とガチです。

 思えば、高校1年生くらいまで、シャワーという存在が家にありませんでした(笑)。当時、うちは五右衛門風呂で、浮き板を踏んで入る正統派のやつでした。正確な認知としては、「昔から変わってなかった」というところ。
 おばあちゃんが元気なころは、風呂を炊くのはおばあちゃんの仕事で、私も小学校のころからよく手伝っていました。
 

 燃料は、おばあちゃんや父親が、せっせと裏山で刈ってきたきた柴と、時折、父が割っている薪と、とそんな感じ。
 風呂のかまどに、柴を折りながら適宜、ほぼ満杯かくらいに入れて、これを焚き木にします。真ん中に空気の通り道を作り、その真ん中に新聞紙をクシャっとして、火をつけます。シュッと、マッチを擦ると硫黄が燃焼してツンと匂います。新聞紙の燃えた火は、柴に燃え移ります。柴に火が移ると、ぱちぱちと言い始めます。しっかり柴が燃えて火力が出てきたら、薪を入れます。柴がしっかり燃えた状態でないと、薪に火が行きません。

 薪に火が移り、しっかり燃え始めたのを確認すると、蓋を占めて空気量をへらします。
 薪は燠(おき)になります。炭になる前の状態で、火が木の中に赤く輝いて、窯の中は毎度惚れ惚れするほど美しいです。

 ちょっとしたら、お湯を見にいきます。ふろ水に、小さなあぶくが現れていて、手を湯につけてみてぬるっと全体的に温かくなり始めてたら、そのまま放置。ちょっと冷えがあってまだかな、と思ったら薪を追加します。薪の本数は日によってまちまち。
 風呂自体に火をくべるので、あまり冷えることがありませんし、おきが、その後もあっため続けてもらえますので。風呂に入っても湯冷めしづらいです。

家の中で薪を焚く

 古民家は場合、屋根は茅葺だったりコメや麦などの藁葺だったりします。(茅:カヤの方が油分を含むので耐久年数が藁より長い)たいてい、家の中に火をくべるところがあります。

 居間にある囲炉裏だったり、土間にある台所だったり。家の中で火をたくことで、屋根に虫がつかなくもなっています。また、床下も、コンクリートで固めてないので乾燥します。

古民家と里山と食べ物

 古い農家は、たいてい山と田んぼと畑がセットで、風呂を炊いたりご飯を炊いたり、生活に火を使うために、山から薪を切ってきます。そのため、山がすっきりしています。

 山には、たいてい柿とか栗とか梅とか、実がなる木が植えられています。自分たちの腹の足しにすることと同時に、イノシシさんとかの胃袋にも収まります(さすがに梅はないけど)。
 最近、野生動物が人家に出てくる話が多くありますが、大部分は、里山が荒れてエサが減っているんだと推測されます。

 そういえば、シイタケづくりも、自分ちでやっていましたね。ホダ木にシイタケ菌を打ち込んで、山の中に並べておくと、勝手に出てきます。タイミングが合わないと、あっという間に傘が広がりすぎてしまうので、うちのシイタケはいまいちパッとしないのばっかでしたが。

そのほかにも、山の木を使っていました。