穀菜食|私が一般食を捨てたワケ・14|生きるためにする、死ぬ準備



1.身体状況 2008年 夏

排毒の二段階目

 須永和尚の望診の結果は、玄米の脂肪が、まず肝臓で消化されていない、ということでした。
 和尚さんのところで2年間寝かした梅干しがある、ということで、購入することにしました。須永和尚に、私の私の体調に合わせて、1週間1日二食の夏メニューを考えてもらいました。

 このちょっと前まで感じていた自分の体への危機感は、不思議と感じていなかったようにも感じます。
 毎日毎日、ただメニューを丁寧に作って食べて、ただただ快便だったんですよね(笑)、この時期。体重も落ち、体のむくみも減っていっていきました。
 ただ、体はまだ根本的に痛くだるく、本当に辛かったです。

2.実施状況 2008年 夏

当時の現場を考えて、着ている服を変える

東北の支社に転勤になった人から、贈られてきた佐藤錦。季節のたべものは素晴らしいと感じる。

 このころ、時々ENGカメラ(報道とかで見る大きなカメラのこと)を担いで出る仕事があって私に来ていました。パブリシティの広告系の仕事で、この時も出ていますね。最低体重を記録中。
 思えばこの時は、頚椎どころか、鎖骨と上部肋骨二本折った後に気付かなくて、ずれてくっついた骨の上にある、これまたずれて配置してしまった神経に、痛みがどんどんたまっています。そのため、だんだん私は握力がなくなってきます……。当時は、まだ、原因すら分かりません。

 ENGカメラは扱いが大変で、普通に色を出すのにも(それを思うと、人の目は凄いのです。勝手に調整してくれますから)、自分の思い通りになるようになるには、1年ぐらいはかかります。
 基本的に、ピントや絞りは手動。モニターはモノクロ。いろいろと、自分の好みに合わせて、調整ができます。

 私が不調で、力仕事が厳しくなったので、ありがたいことに、他の方がやってきていました。ところが、氏は別の仕事で移動に。

 私は、10カ月ぶりとかでも現場に出されたので、局の人が、「何カ月ぶりなのに、なぜ、カメラを振れるのか」不思議がられて聞かれました。
 ディレクターとして、日ごろからカメラマンが何をしているのか見てますから。仕事の内容をできて見ているのと、それが分からないで見ているのとで、現場で受ける情報量が全然違います。

 当時、撮りあがった素材から、カメラマンの調子まで分かるようになっていました。「これは、〇〇さんが撮ってるな……。」と、誰が撮ったのか分かることがありました。
 たとえば、短尺のパブリシティ素材なのに、わりと編集が混んでいる物の素材。明らかに、編集もやっていると分かる、ベテランカメラマンの編集撮り素材でした。
 とはいえ、なんとなく誰かは想像してるんだけど、違うかもしれないから、カメラマンさんは誰かと局の営業さんに尋ねると、「○○さん」と。「やっぱり」……と、言うことで、その外注の知人カメラマンさんに「ありがとうございます。いい素材で助かりました。」って、伝えておいてください。……と、いうような……。

 で、たまにしか現場に出ない私は、まず機材の扱いのイメージトレーニングをカメラを触りながらやります。それで、動的情報を体にリリースする感じで、思考を捨てて体を動かす感じにしていました。
 経験豊富なテレビのプロなら、ここからテイク数が少なく、編集が早くなるようにと撮影手順を考えてシュートします。「編集撮り」って、そういうことなのですけど、編集で予測される画を最初に想定して、撮っておくのです。
 残念ながら、ハード部門での実戦の浅い私は、数を打つしかない(笑)。ただ、この集中力は、通常業務すべてにおいて派生し、だんだんゾーンに突入していきました(笑)。

 思えば、高校時代にパート別まで分解して、聞きこんだオスカー・ピーターソンの集中力のイメージが、別の形で効果を発揮しているのとも、感じるます。
 そしてたぶん、その時には脳内麻薬(モルヒネ)が出てるんです。脳内モルヒネは、薬物のモルヒネの6倍の効果があります。さらに私は、全身の痛みを仕事に集中することによって、回避できたのでしょう。

 しかしこれは、体の問題を根本的に解決にするものではありません。

多分、こんなこと続けてるから、
寿命はどんどん削れる一方なのも当たり前。

最近はちょっと見た目も陰性に。
髪を伸ばしたり、ふわふわな服をわざと会社に着ていってみたり、
スカートもはいてみたり。
死ぬから止まれ!(少しでも!) …みたいな。

この会社の今の部署の良いところは、
結構ボーっとしている時間が、それでも多いこと。
(人目を気にしなければ、勉強や創作に移行できる)

一夜明けた疲れはいつもと一緒で、
朝6時くらいには起床できた。

悪くない。



2008年06月21日

 下請けの仕事を受け持つような立場だったので、ときどき、今日は何をして過ごそうかという日もありました。
 ただ、現場で振られると、普通に「倒れてよし」と考えていた。実家には大腸がんがステージ4の父がいるので、この状態で帰れません。それで、シフトが来れば「そうですか」と、出ていきました。いつ倒れるか冷や冷やだったようですけど。

3・脳と腸の相関関係を考える

主食を玄米にしてみた人が、まことしやかに思っていたこと

 当時、「玄米菜食にしました」とか、「ベジタリアンになりましたとか」の人たちの間で、まことしやかに噂されていることがありました。それは「脳みそが大きくなった」……ような「気がする」……(笑)。

 それで、心の状態を表すかのように、部屋が掃除したくなりキレイになると……。

 逆に、鬱病患者さんの部屋は共通して汚いと言われています。まず、換気もしないとか。たしかに、私が精神的にまいっている時には部屋が汚かったです。

サイエンスに振り返る

 私が食養生をやり始めたのは2008年で、この10年くらいでも、分子生物学の世界の研究がすすんでおり、腸内環境が人の健康や性格にまで影響を与えることが、研究報告が多くされています。

 人の細胞は60兆個(37兆個とも最近はいわれてます)が、腸内細菌の数は1000兆個。これらの細胞の遺伝子は、赤の他人。
 さらに言うなら、食物から栄養素は腸内細菌が分解して小さくくれないと、人体は栄養を吸収できない仕組みになっています。そのため腸内環境が人のさまざまな活動に影響するというのは、当たり前の話かとも思います。栄養が足りないと、精神的にも豊かにはなれませんからね。

「プラズマ療法の全体(仮)出版予定」
田丸滋(監修) 藤田晴子(著)より

 もともと、東洋医学の領域や食養生の世界では、いろいろな臓器はお互いに関連性があり、脳と腸管もその一つとみられていました。それが、西洋的な学問の分野でも、脳と腸は相関関係にあるのが明らかにされてきたのです。

 人の体の中は、お母さんのおなかの中で、脳と腸から出来上がります。

踏まえて、当時の「脳みそが大きくなる」感じの私っていうのは……

 私はおそらく急激に、腸内細菌が喜ぶ食事に切り替えたので、劇的に腸内環境は良くなっているんですよね。

 そして恐らく腸が整ったので、脳がすっきりして脳の可動部分が増える、発想の数が増えてくるとか、物の見方が増えるとか、という感じ。それが正しいのではと、今では思います。

 ちなみに最新医療では、健康な人の便を移植して腸内細菌を整え、病気を治しちゃいましょうという治療法もあります。(多分、その方の性格は穏やかになっているのでは、とも思います)

 思えば、人の細胞が入れ替わる3カ月とか6カ月とかのタイミングで、この先もいろいろと物事が変わっていきます。

4・実施状況・2 2008年 夏

生きるためにする、死ぬ準備

 どうせなら、周りを綺麗にして死のう。

 死んだとき、家族が困らないように、自分の持ち物をギリギリまで減らしていきました。頭がなんだか「今の部屋では許せない」と言っている……。

 体が持たないんだけどなぁ……と、苦しいと、思いながら、アパートから車で一時間弱の実家の部屋を片付けて、 アパートでは新しいものを、買い足しました。

キッチン回りが機能的にならないかな、とも考えてました。

  

 やたらとキッチン回りなんか、すっきりと綺麗になっていきます。そして、観葉植物も積極的に育て始めます。地元の100均一で、観葉植物が多くて楽しくて買い求めました。

5・実施状況 こころの話 2008年

初めて、“自分“と会話する

 ひょっとすると、純粋に「自分のための時間」を考えるというのができたのは、この時が初めてだったかな、とも感じます。

人が少ない閉店間際。
近所でしたから。

 近くに、お庭が素敵な和菓子屋さんの本店があって、夏至と冬至にはキャンドルナイトをやっていました。6月のちょうど夏至、アパートから徒歩圏内だったので、てくてくとお茶をしに行きます。ほっと一息お茶をいただきます。

 一人静かにジーっとして、キャンドルの暖かい明かりにほっこりするのですが……。

……おや……。

 信じられないけど、ろうそくから音が聞こえる……。確かに聞こえて。
 後で調べていると、揺らぎ音が出ているそうで、おそらくそれが、私には「音」として感じられるようでした。

 その様子が穏やかで素晴らしかったので、しばらく、うちでもキャンドルを炊いて、じぃ~っと聞いていました。だんだん、お香なども炊くことにもなり、五感がどんどん鋭くなっていきました。

明かりを楽しむ

作ってみたい初挑戦のご飯を作りました。
切干大根(ちょっとの量で水・梅酢を溶いたものをふやかしておくと良い感じの歯応えがあって、ほんのりすっぱいのが良い感じ)と、もやし・ミズナのサラダ。

それから、夏野菜の必殺技、「ラタトゥイユ」。
オリーブオイル・にんにく一かけ。たまねぎ・トマト・ナス・ズッキーニ・ニンジン・トマトピューレ。
香辛料がなかったけど、食べたかったのでそのまま作りました。
タマネギは透明になるくらいに炒めて(途中でお塩少々で甘みを出す)、
マクロビオティック風なので、じっくりじっくり煮て、混ぜません。
シーズン野菜なので無農薬でお届けしてみました。
(あ、ここまできてオリーブ油はまだ切り替わってないわ… ダメじゃん…。でも、オーガニックのオリーブ油は結構する…)
トマトピューレとか、イタ飯系はスーパーにオーガニックなものが普通に置いてある。

無農薬のズッキーニがあまりに立派で
水分量を見誤り、ちょっとだけタマネギを焦がしてしまいましたが、上々。
身体が緩んで血液が流れて、ほかほかする。

途中、お昼寝でウトウトしながら、それでもやってるご飯作り。
これで良いのだ。キッチンで、立ってるのに足の力がガクッと抜けるのは、
多分そっちのほうが、本当の私の身体のキャパなんだろうと思う。



2008年06月21日 のmixi日記