ネタで使われる「禿げおやじ」
今回のお題も、前回に引き続きさよなら三角。
地域ルールでさまざま歌詞の内容が変わっていく「さよなら三角」の唄は、私の育った地域では、今回のご紹介する唄の歌詞であったかと思います。ころころ転がって最後には禿おやじになる。
子供心に大人たちというのは時々からかいの対象にもなりますね。はげおやじ(笑)。ふさふさの子供たちには、大人は、なぜ禿げるかは分からないけど、おそらく「自分たちと違うから」からかいの対象になるのが不思議ですよね。
一般論としては、ある意味危機管理的な心境であるとも思います。年をとると、子供たちが分からないことも、いろいろあるんです(笑)
ふるさとのわらべ唄 戎谷和修 <11>さようなら三角②
「さよなら三角」の唄と言えば、周南市鹿野町などに「ひかるは親父の禿頭(はげあたま)」で終わる曲がある。
この曲、美祢市大嶺町では初めと終わりは鹿野と同じだが、途中の歌詞が「四角は豆腐 豆腐は白い 白いは幽霊 幽霊は消える 消えるは電気 電気はひかる」とかなり違う。違いが面白い。
県内で歌われた唄は、昔、よく言っていた「おまえの父さん、でべそ」的なあっけらかんとして人をおびく(冷やかす)といった雰囲気を持っている。
さらに、「さようなら三角」は、途中の歌詞に戻って何回も繰り返されるように工夫されたり、別れるときに手をたたいたりと、土地により、子どもにより自由に歌われ、遊ばれている。
松谷みよ子著『さよならさんかく またきてしかく(あかちゃんのわらべうた)』には、「さよならさんかく またきてしかく しかくはおふとん おふとんはねんね…」という歌詞が書かれいる。
前回、記述した歌詞のでき方、遊び方もあわせ考えると、お母さんと子どもでつくった、あるいは幼稚園や小学校で教師と子どもでつくったオリジナルの歌詞や遊び方で、さまざまに「さよなら三角…」を歌うことができると思う。その人、その土地ならではのやさしい「さよなら三角」が次々生まれる世の中であり続けてほしい。(周防大島町立三蒲小校長)
さよなら三角また来て四角
四角は豆腐
豆腐は白い
白いはうさぎ
うさぎははねる
はねるはカエル
カエルは青い
青いは葉っぱ
葉っぱはゆれる
ゆれるは幽霊
幽霊は消える
消えるは電気
電気はひかる
ひかるは親父の禿頭
(周南市鹿野町)
[記事:中国新聞社提供 掲載日付:2007年10月7日]