穀菜食|一般食を捨てたワケ・06|祈りの意味。メスは最後に取っておく



1.医療の「医」の字を考える

医のもともとの字には、祈りの行為が入っていた

 2015年ごろだったか健康系のお話会に、ご縁で出ました。そこで伺った話の中で、印象深かったものを紹介します。

 この漢字。
 これは「医」のもともとの、漢字だそうです。上半分は、古い医院では「醫」と残っているのもありますね。弁護士をときどき「辯護士」と書くのと一緒です。医の「匚」の囲われたところに「矢」を使って、「殳」は一般的な説では杖ぐらいの鉾の意であるようですが、手技を使って人を治療するという意味でもあるようです。

「酉」は、「酒」「酢」「醤」こうした物を醸した入れ物をさし、そうしたものも治病に使ったようです。

 馴染みがないのが下二つ。上のほうが「巫女」の「巫」。つまり昔は医療は確かにそうした神に使える方が呪術で癒そうという考えがありましたね。そして一番下は、左右の手を表し、感謝、祈りを表します。

 丸ごとひっくるめて「医」であると、昔の人は言っていたのですね。現在の「医」では、左上しか機能していない状態。私たちは「医」を使い、病であるところから「健康」になりたいと考えるのです。この「健康」は略した言葉で、正確には「健体康心」、健やかな体と康らかな心を持ち合わす事を指します。

 そのお話会で聞いた話は、私のやってきたことの答え合わせをしているかのようでした。私は、祈りや感謝は必要だと思います。

「神様、お願いだから、もう少し待ってくれ。この先が面白そうなんだ」

 実際の私も、最初に改めたのは「祈る」という心構えだったからです。当時は、その後どんな効果があるかなど、はっきり言って分かっていません。ただ、事あるごとに、「神様、お願いだから」と唱えていました。

2.実施状況 2008年、冬

冷え対策を取り、眠る時間を制限する

 動脈瘤が分かって、灸治療をしてても、ただ体調はやはりガタガタでした。でもどうにか対策を打とうと、あったかくするようにします。

肝臓と悪くなった腎臓の薬を始める。
 実は肝臓を悪くしてからこっち、顔に「性病か?(失礼な)」と思われるくらい、次から次へと出てくる吹き出物の対処に困り(普段出ないところに出るんだなぁ、これが。しかも凹凸になる)はて、「最近どうしたの、顔」と掃除のおばちゃんにも聞かれるしまつ。 
 ここ一週間は、吹き出物が背中にも移行し、指のサカムケはサカムケたまま回復しない、という有様でした。 薬をのんで寝たところ、一夜にして吹き出物の腫れがひき、二晩目にはサカムケが回復し始めました。 肝機能も腎機能も大事なんですね。 すまんね。ひどいことして。 

2008年1月14日 mixi日記「うれしい回復」

 実家にお米をもらいに行ったら、お土産に持たされたのは「ウコン」でした。母の知人の畑に植えてあるのを貰ってきたようなのです。実は、育てた人も肝臓を患っているようで、その対策にウコンを使っていたようなのです。
 元来食いしん坊な母なので、食べる事は得意。とりあえず、輪切りを乾燥させて、私が帰ったら持たそうと待っていたようです。小さいフードプロセッサーで、あっという間に目の前で粉にしてくれました。

「これを夜食べた後、ティースプーン一杯くらい飲んだらええんて」

…なにしろ早い話「ターメリックだけ」なので、匂いだけでも「うっ」と、なるワケです。
「オブラートに包んだら?」と言われてそうするようにします。そういえば、「ウコンの力」なんて商品もあるなとも。帰りぎわ、「次がまっちょるから」と縁側に輪切りのウコンがならんでいるのを、やけに自慢げに母が見せてくれました。
 さて、帰って早速ウコンを飲んでみました。翌朝が、なかなか良いです。しかし、オブラートに包んでいるとは言え、胃から戻ってくる匂いがウコン臭くてかなわないのですが、朝の体のだるさは少しだけ改善していました。

 さて、最初のころに参考にしていた本の中から、マクロビオティック望診法「美人のレシピ」。

 最初に望診することを始めます。内臓のどこが悪いのか把握をできるのを初めて知ります。「便利かも」と思いました。

 自主門限を10時、自主就寝時間を12時に定めて、かつ、コツコツと、マクロビオティックの食事方法を探り、お肉を控えて自分の食べたいものを、作り始めます。

マクロビオティック(完全でないのであくまで「もどき」)を意識し始めて約三週間、仲良しの掃除のおばちゃんKさんが「顔良くなったね」と声をかけてくれた。 

言っておくけど、美人になったとか、小顔になったとかそんなんでなくて、顔中にできた吹き出物の腫れがひどかったのだ。その対処に困り果てて、この二週間は自分の顔を鏡で見るのも、ファンデーションとか塗るのもイヤで、スッピンで会社に行ってた訳(社外の人に会うときは別)。

当初は会社のとある人が私の顔を見て「うっ」とか、固まっていたけど(失礼だな)、実際に体調悪いのが伝わっているので良しとしよう(元気に見られる)。まぁ、人は見た目、八割くらいで判断するからそれも当たり前だけど。
でもこれで、その人が見た目だけで判断する人だということが、はっきり分かったのだけど(モノを伝えるのにその意識はどうかとも個人的には思う)。 

さて、「マクロビオティック望診法」というのがあって、例えば、肌の張りとか、爪の状態とかを見て内臓の具合を判断する。私も、これにしたがって食べるモノと漢方薬を調整してみた。額にできるのは大腸が弱っている、ほほにできるのは、肺。口の周りは生殖器と心臓。アゴは生殖器と膀胱。(洋泉社「マクロビオティック望診法 美人のレシピ」より) 

酷いところは、額、アゴ、口の周り。大腸は確かに悪かった。良く考えれば、父は大腸がんだったので、要注意ポイントだ。便通も最悪。アゴの膀胱は、ちょっと前に尿道炎で微熱が続いた経験アリ。口の周りの心臓は、もともと不整脈もちだったりするのだ。心臓はプレッシャーとか緊張とかでもすぐ心電図に異常が出たりする。ひょっとすると、先月の忙しさでかなり負担をかけた疲れがでているのかも。 
これを、三週間続けてみた。 

顔の腫れは引き、疲れると手に血管がおばあちゃんみたいに浮き出るのが改善された。と同時に、精神的にも不思議と落ち着いてきた。


2008年02月23日 mixi日記「顔良くなったね」

手に触れるものを変える

 家のスチールとか合板素材の家具の冷たさが辛くなっていました。そのころ、たまたまテレビの仕事の取材先とか、扱うVTRの素材にやたらと天然木を大事にする地元の家具屋さんが目がついて、天然木テーブルを現場で触ったり見てたりしてたら自分の部屋の作業テーブルを変えてみるかという気になりました。

 私は机を揃えてますます頑張ろうとかいう意識はなく、「まず、楽になりたい」と、思っていました。それに、3月生まれの自分に誕生日プレゼントを。
 それで、創作家具屋さんに良い作業台になりそうなものはないかと、ショールームを覗きに行きました。入ってすぐに、木の肌触りを手で確認しました。

「一目で『自分用』だというのは分かりましたよ」

 相談しようとしたら、社長に言われます。
 時期的に学習机のシーズンで「子供のために」は多いだけど、確かに、入って真っ先に木の肌触りにまっすぐに行く人はあんまりいないでしょうからね。
 自然素材の作業台にこだわるのは、プロ・修行中に関らずアート系に多いそうで、同じようなものを、書道家、陶芸家、油絵やってる人、それから、意外にもパン教室の先生まで注文を受けたようです。食品が関係するものだから、天然木のテーブルを使いたい、ということのようです。

 楢の木の4人掛けのダイニングテーブルをちょうど受注を受けていたようで、ついでにもう一つ作るのみ一緒だからと、思い切って便乗して作ってもらうことにしました。

楢材テーブルは東京でも使っています

「アートをやるんでしょ。そういうのに使われるの、うれしいから」
と、ずいぶん破格値で作っていただきました。

 私は、わら屋根トタンの木造平屋な家に30年住み、周りは杉と雑木林、田んぼが目のまえにあるのが当たり前のところで過ごしてきたので、なるべく部屋の中にもあったかいものを、と、コンクリートの建築物に天然のものを意識的に入れようとしたのです。 良かった。ここが田舎で、と、感じました。 

3.身体状況 2008年、冬から早春

メスは最後に取っておこう

 動脈瘤の後、腎臓と肝臓を気を使ってちょっと体調が上向いてはいました。しかし、ふたたび乳腺炎が再発してこれが最後の三カ月目に来た4回目。

4度目。  乳性炎再発。 
おととし、10月 
去年、6月・12月。 
んで、最近、3月。 

んー。 

やだねぇ。間隔が狭くなってるよ。 
同時に子宮系にも異常が…さすがにくたびれる。 
病気が一番しんどいのは、治るときだといつも思う。
病院には行かないの? 
なんて聞かれるけど、言ったところで、切ってまた再発じゃ話にならないし。 
この調子じゃ、またどこかにしこりができそう…。 
手術したところで、その後の生活に充分支障をきたす体力と体重のなさ。 
メスは最後の手段で、まだ先にとってよう。 
ありがたいことに、今回もまたなくなったけれど、再発は充分にある。



2008年03月16日 mixi日記「4度目。」

 当たり前だけど、「ちょっと」気に掛ける程度ではダメなんだな。私の体はもう、どうしようもないところまで来ている、と感じました。

 当時、まず寒い時期なので、春まで頑張ろう。暖かくなる春まで頑張ったらどうにかなるかも、と思いながら、とにかく体を温めることを考えていました。

問題のある臓器は、確実に冷えている

「その関係部位だけ冷えている」 
最近の不調は夜に起る。朝が一番冷えてるから。 
だから、体温で35度台でないか毎日調べている。朝は35度台なんだ。 
再発も今回とくに早かったし。 

と、思ったら、同じ事をもっと前から真剣に考えている医学博士がいた。 
てか、しょうが紅茶はそもそもこの人かららしい(そもそも母が「昼間の“みの教”:みのもんたの番組」でやってたことを教えてくれた)。 

前後の詳細がないと、一言が言いづらいんだけど、「日本人の平均体温はひくくなってる」ゆえに、病気が増えたのこと。本には、実際に発熱から精神的な病、婦人科までさまざま症例別の温めかたの例がいろいろある。 
ぶっちゃけ、実体験で一理ある、と思う。

 
2008年03月16日 mixi日記「4度目。」

4.実施状況 2008年、春

朝、内臓を休めるために、固形物を避ける

 このあたりから、むさぼるように食の関連の本を読み始めました。 

 たまたま「ショウガ紅茶」が体に良いと、テレビでやってたよと、母が情報を受けて教えてもらいました。そのとき手にした本が、医師の石原結實さんの本でした。私は食でなんとなく効果が出そうだと思ったので、さらに効果を出したいと思い、石原医師のやり方をまねることにしました。

 朝食は、ニンジン・リンゴジュース。 ニンジン2本、リンゴ一個。そんでキャベツをジューサーにかけます。 
 早速ジューサーを買ってきて、作ることにしました。出来上がると、軽くビアジョッキ一杯くらいになる。 そして、カスが結構あるんですよね。
 目的は内臓を休めるため。 昼は、消化の良いお蕎麦など。夜は日本食。これに、マクロビオティックを充てることにしました。

 そして、とっても怪しかった体温計を先日新調していました。

 これで熱があるかないかではなくて、体温が低過ぎないか見ていました。
  36度以下なら要注意。体の中の何かが悪さを始めるようだ。 測り始めて、体調と病気と体温の関係がなんとなく分かるようになってきた。 
 冷え対策に、足元にラグがほしかったけど、先立つものがないため自主製作映画用の照明反射板「カポック」(発泡スチロール板)をあっさりひいてみました。 2㎝くらいの厚さで、大きさは90cm角くらい。作業台下にはぴったりフィットして、かなり暖かかったです。  コンクリートの建物の冷えは、私が慣れている木造建築の冷えは違うようでした。 

温かいものがいいね。食べ物も人間も。   何故か、その年にもらった誕生日プレゼントは…「でべら(でびら)」でした。

「そんなもの、できるワケないじゃないか! 」

「体を食べることで治す、お肉食べない」
と、お灸の先生に言うと、「肉を食べないなんて信じられない! そんなこと、できるワケないじゃないか!」と、猛烈に言われました。先生は、元陸上のインターハイの選手。そう言うのも、無理はありません。
 それに、私には分かっていました。先生のやり方だと、私の体調は、上向きにはならないんだから……。

もう、後がないから、食べるのやります。