童謡日帰りバスツアー
5月26日(日)、童謡バスツアーに行ってきました。
東京駅丸の内口の警備は朝から厳し
東京都を出発して千葉県へと、童謡ゆかりの地に行きます。
私は東京駅から乗り込み。ところが当日は、トランプ大統領の来日で、東京駅周辺の警備がやたらと厳しく、バスが所定の待ち位置に止められないという事態に(笑)。トランプ大統領が行くのも千葉県だというのでと、一同「不思議ねぇ」ってことになるのでした。
今回ご参加いただいた方々は、人生豊かなチームでしたので、そんなに言わずただ楽しく、東京駅一路、最初の場所「証城寺の狸囃子」の着想の地となった「證誠寺」に向かいます。
個人的には「初・海ほたる」
それにしても個人的には、日常的に車移動がないので、東京湾のど真ん中の「初・海ほたる」。観光的には、ここだけでも十分ですね(笑)
向かったのは木更津市「証城寺の狸囃子」の里
「証城寺の狸囃子」
作詞:野口雨情 作曲:中山晋平
1.証 証 証城寺
証城寺の庭は
つ つ 月夜だ
みんな出て 来い 来い 来い
おいらの友だちゃ
ぽんぽこ ぽんの ぽん
負けるな 負けるな
和尚(おしょう)さんに 負けるな
来い 来い 来い
来い 来い 来い
みんな出て 来い 来い 来い
2. 証 証 証城寺
証城寺の萩(はぎ)は
つ つ 月夜に 花盛り
おいらは浮かれて
ぽんぽこ ぽんの ぽん
元々あった狸伝説がモチーフ
実は、もともとは狸の伝説というのが證誠寺にはあって、野口雨情に木更津市の学校の先生が唄を作ってくれと野口雨情を何度か木更津市に読んで作ってもらいます。
が、野口雨情が書いた最初の狸は「ぽんぽこぽん」じゃないんです!
證誠寺の庭は
月夜だ 月夜だ 友達来い
己等の友達ァ どんどこどん
負けるな 負けるな
和尚さんに 負けるな
友達来い
證誠寺の萩は
月夜に 月夜に 花盛り
己等の友達ァ どんどこどん
( きさらつ」第7號 掲載 )
作曲家の中山晋平の語感で「ぽんぽこぽん」に変更
作詞の野口雨情は「どんどこどん」だけど、中山晋平が曲を付けた時に「ぽんぽこぽん」に変わります。 もし、中山晋平が直さなければ、狸はずっと「どんどこどん」だったことでしょう。
私たちは、狸というと「ぽんぽこぽん」というイメージがあるけど、それは作曲家の中山晋平が作りだしたのです。
中山晋平は作詞家とは違った、作曲家なりの言葉を感じるセンスがあったんだろうと考えられます。
歌詞を見ると、最初は「証城寺」なんですけど、「証 証 証城寺」「つ つ 月夜」など、言葉の頭ところを繰り返すというのは、中山晋平が得意とするところでした。
このヒットから「少年隊探偵団の歌」の「ぼ ぼ ぼくらは少年探偵団」など、頭の部分を繰り返すのが流行したようです。
「證誠寺」はどうして「 証城寺 」と表記されたか
最初に「狸の伝説」が 證誠寺にあって、野口雨情に唄を頼んだ学校の先生は、童謡雑誌「金の舟」の編集者でもありました。
「証城寺」の字は、当初本物の「證誠寺」の字を使ったんですが、これを「金の船」に掲載するときに、クレームを恐れた編集者が気を利かせて「證誠寺」を「証城寺」に字を変えたようです。一応、字を変えたので、「そこのお寺とは違います」と、言い訳をしたのだと考えられます。
しかし、発表とともに、クレームの嵐が起こります。
その当時、リアルな和尚さんの周りにいる人間が、「和尚さんのこと、あんなに歌うなんてひどいじゃないか」とか、商店街の人が「そんな下品な唄を出しては困る」などと、わざわざ雨情のところに来て抗議しました。
新聞社も雨情のところまで来て「なぜあんなにしたのか」と怒るんです。中山晋平さんも、同様にたたかれました。
ところが、この歌がヒットしたら、みんなが舞台となった「證誠寺」に来るようになって一大観光地化しました。それで、町の方ではお土産物のお饅頭とか作ったりして……。
ということで、「證誠寺」 の中には狸の碑があるのですが、ヒットから観光地化してできたものです。
ちなみにヒットすると、木更津の町の人が大挙して、今度は、作ってくれてありがとうと、雨情のところにお礼に行ったそうです。なんと言いますか…(笑)。
でも、歌に出てくる「お寺」って「山の中」のイメージ…
ところで、「証城寺の狸囃子」のイメージって山奥のだだっ広いお寺な感じがしませんか。
「證誠寺」は海に近くて敷地はそんなに広くありません。
実は、雨情は、参考のために他のお寺も紹介してもらって、歌のイメージづくりをしたのです。それが 「證誠寺」 の近くの、山側に走ったところの「長楽寺」だそうです 。
地元の人も、当のお寺さんも「参考イメージになっている」のは、知らないようなんですが、実際に行ってみました。
確かに、ここなら狸さんたちが仲間を連れて出てきそうですね。